イ族舞踊(彝族)
彝族と書いて「イ族」と読みます。
イ族は四川省、雲南省、貴州省、広西チワン族自治区など中国西南部に多くが暮らしており、少数民族の中では6番目に人口の多い民族です。
誇り高く、人情や信義、義理を重んじ、礼儀正しく客を大切にする民族文化を持ちます。お客様が来るとまっ先に駆けつけ、出迎えの歌を歌い、酒を勧めます。おもてなしの心は、日本人にも通じるものがあるかもしれませんね。
また、イ族の別名は「火の民族」。旧暦の6/24には「火把节」という、松明を囲んで輪になりながら歌い踊り、無病息災を祈るとても有名なお祭りがあります。ビモと呼ばれる司祭たちによって、こうした祭りは取り仕切られます。
そんなイ族舞踊では、火を崇め、虎を崇めた原始の情熱やたくましさを表現します。
例えば長いスカートを巧みに翻し、跳ねるような足裁きで踊る「阿细跳月axitiaoyue」、タバコの箱を指で弾いて音を鳴らしながら踊る「烟盒舞yanhewu」など。
足さばきの良い舞踊動作は、火の民族ならではのもの。焚き火を囲み、熱い灰の上を飛び跳ねる動きからできたそうです。
明快でノリの良い音楽に合わせて、手を叩き、足を鳴らし、踊れば踊るほど力強く、速度も増します。疲れ知らずの彼らは、火のように熱く、虎のように勇敢なイ族の歴史を、誇りをもって踊ります。止まることなく動く動作には、ひとつひとつに力があり、奔放で豪快な品格があらわれ観客を飽きさせることがありません。
2015年発表会演目 【七月火把節】(七月の松明祭り)
イ族の暮らすある地域では「踊らぬものは、何十年も無駄に生きている」なんてことわざもあるんですよ。舞踊が人々の生活と精神の中で、いかに重要であるかがわかります。
私たちも何十年も無駄にしないために、元気いっぱいイ族舞踊を踊ってみたいものですね!
資料:百度百科 彝族舞蹈
「中国56民族手帖」 松岡格著
「彝族舞」北京东方影音公司出版
written by Iku Matsuda